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2019.06.10

トラウマのある人を思う

  先日、トラウマにおける心理的療法について、臨床心理士たちが学び合う場に行ってきました。講師は精神分析の方でした。一言でいえば、感銘を受けました。これまでの私自身の臨床経験から感じてきたことが、はっきりした輪郭をもって浮き彫りになったように感じました。こんなふうに思える会は、私にはあまりないことなので、自分の言葉にして、今ある感じをここに書き残してみようと思います。

 

 人は、自分のことを人に話したいと思っている。

 しかし、自分のトラウマを話したところで、同じ体験をした人がいない限りわかってもらえないだろうし、

 たとえ同じ体験をしていても、自分の気持ちまで理解してくれる人なんているとは思えない。

 それに、話したところで、過去はかえられないのに、話して意味があると思えない。

 だから、話そうとは思はない。

 簡単にわかってもらいたくもない。

 

 それでも、人は、心のどこかで、自分のことを人に話したいと思っている。

涌井 浩子

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